診療内容
●帯状疱疹とは
からだの左右どちらか(片側)に、ピリピリとした痛み、小さい水ぶくれ、赤みが帯状にあらわれる疾患です。
あたま~かお、くび~うで、うで~むね・せなか、おなか~せなか、こし・おしり~足など、症状の出る場所も様々です。いずれも体の片側のみにでます。
50代以上に多いですが、若い年齢でも発症することがあります。
●原因
これは水痘・帯状疱疹ウイルスが原因です。水ぼうそうに罹ったことがあると、ウイルスは生涯、神経節という部位に潜みます。このウイルスが、加齢、ストレス、疲労などによって、からだの免疫力が低下すると、再活動をはじめ、神経を伝わって損傷をを与えながら皮膚に到達します。これが帯状疱疹です。神経の走行に一致して帯状に痛みや皮疹が出現します。
水ぼうそうと同じウイルスですので、水ぼうそうに罹ったことがある人なら、だれでも帯状疱疹になる可能性があります。
●診断
皮膚症状と自覚症状でほぼ診断はつきますが、まれに虫刺されと紛らわしいケースもあります。ウイルス抗原検査をすることで、診断を確定することができます。
●治療方法
発症したらできるだけ早期に内服治療を開始します。
抗ウイルス剤(ファムビル、バルトレックス、アメナリーフ、ゾビラックス)を1週間内服。
皮膚症状に対しては、抗ウイルス剤の外用。
痛みの強い方は、痛み止め内服。
●経過
内服を開始して、2日目くらいから痛みが軽減していきます。
痛みは個人差が強いので、痛みの強い方は我慢せず、痛み止め内服します。
皮膚症状は、水ぶくれがかさぶたとなり、2~3週間くらいで治ります。
痛みは1~2週間で気にならなくなることが多いですが、その後も痛みが持続することがあり、これは帯状疱疹後神経痛といって、神経に強い損傷が生じたことによっておこります。
帯状疱疹後神経痛が残った場合は、ペインクリニックで専門的な治療が必要になることがあります。
多くは生涯に一度しか発症しませんが、免疫が低下している場合、繰り返すこともあります。
再発性の場合は、初回よりも症状が軽いです。
※顔面に発症した場合、角膜炎や結膜炎を起こすことがありますので、眼科受診も必要です。まれに、耳鳴り、難聴、顔面神経麻痺が生じることがあり、ラムゼイ・ハント症候群と呼びます。
※皮疹部にウイルスが存在します。まだ水ぼうそうの予防接種をしていないこどもに感染し、水ぼうそうを発症することがありますので、接触は避けて下さい。
帯状疱疹にかかるリスクを減らすために、希望者に帯状疱疹予防接種を行っています。
帯状疱疹ワクチンは2種類あります。
それぞれの特徴。
●ビゲン 乾燥弱毒生水痘ワクチン
接種対象者 50歳以上
発症予防効果 約50%
効果持続期間の目安 5年
接種回数 1回
ワクチン副反応 多くは注射部位の赤み かゆみなど局所反応
費用 8,800円
●シングリックス 不活化ワクチン
接種対象者 50歳以上 または帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の人
発症予防効果 50歳以上97% 70歳以上90%
効果持続期間の目安 約10年
接種回数 2回
ワクチン副反応 注射部位の痛み 赤み 腫れ
(全身症状) 筋肉痛 疲労 頭痛 悪寒 発熱 胃腸症状 (多くは3日間)
費用 1回 23,100円(2回接種のため合計46,200円) シングリックスは予約制