診療内容

●薄毛(壮年性脱毛症)とは

頭頂部やおでこの生え際が薄くなり、髪のコシがなくなる、生理的な脱毛症です。

男性は、AGA(男性型脱毛症)、女性はFAGA(女性男性型脱毛症)とよばれています。

男性は、早い方は20代半ばから、女性は更年期頃から気にされる方が多いです。
薄毛は、テストステロンからつくられるDHTによって起こります。(Ⅱ型5αリダクターゼという酵素によって、テストステロンからDHTになります。)DHTが多い方が、薄毛になりやすいことがわかっています。

男性ホルモンが関係して発症しますが、女性も更年期になると女性ホルモンが減り、相対的に男性ホルモン優位となるため、起こると言われています。

●治療

●内服治療

男性(AGA)は、プロペシア、ザガーロ(Ⅱ型5αリダクターゼを抑える薬)により、改善や進行を抑えます。
女性(FAGA)は、プロペシアのような内服薬はありませんが、エクオール(エストロゲン様のはたらきのある大豆由来サプリメント)、ビタミンB群、ミネラル(亜鉛、鉄)、タンパク質摂取で、改善、進行抑制が期待できます。

●外用治療 ミノキシジル(女性用、男性用があります。)

ミノキシジル(Minoxidil)は、海外で、高血圧の経口薬として開発された成分ですが、内服した患者さんは全身性に多毛になる副反応が見られたことから、後に、外用剤の脱毛症の治療薬として使われるようになったお薬です。
ミノキシジルは、血流促進作用や毛乳頭細胞を刺激して毛母細胞の増殖を促す成長因子を出させる作用などで、発毛を促します。
2017年日本皮膚科学会の脱毛症治療の男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインで、奨励度A(行うよう強く勧める)となりました。
男性、女性とも薄毛に有効です。

ご使用方法

・1日2回、1回1ml薄毛の部分に外用します。

経過

・3~4か月の使用で、効果を感じられる場合が多いです。

副作用

頭皮の発疹、発赤、かぶれなど。

ミノキシジルは、飲み薬として使った場合、全身的副作用が報告されています。(胸の痛み、息切れ、めまい、頭痛、むくみなど)
ぬりぐすりでは、稀ですが、このような症状が出る場合は使用を中止してください。

●育毛点滴(ビタミンB群、C、Lシステインなど)

●PRP療法

患者様ご自身の血液を採血し、血小板を濃縮した血漿(PRP)を取り出し、細い針でうす毛の部分に注射する方法です。血小板には様々な種類の成長因子(サイトカイン)が含まれており、これらの因子が複合的にはたらくことにより、毛が太くなる、成長期の毛の割合が多くなる、抜け毛が減ることで、薄毛を改善します。3か月おきに3回治療を行い、その後は半年に1回の間隔で治療を継続されることをおすすめします。男性、女性とも行うことができます。麻酔クリームを行うため、痛みは軽度です。


※残存する毛包を刺激し増大させる治療であり、消失してしまった毛包を再生させることはできません。
※PRP療法を受けられない方
凝固抑制剤内服中(ワーファリンなど)、骨髄機能低下、肝機能障害(慢性肝炎、肝硬変)、悪性腫瘍治療中、HIV感染、ウイルス感染に罹患中、妊婦、小児、10代の方、膠原病、血小板異常の疾患(血小板減少性紫斑病、血小板増多症、血小板無力症など)

●料金

デュタステリド(ザガーロのジェネリック)
9,900円(30日分)

プロペシア
10,318円(28日分)

フィナステリド(プロペシアのジェネリック)
8,316円(28日分)

男性用 5%ミノキシジル
1本6,050円(60ml、1か月分)

女性用 1%ミノキシジル
1本5,500円(60ml、1か月分)

エクオール          120錠    4,400円

NBX(高容量総合ビタミンB)120カプセル 6,696円
 
亜鉛             60錠    4,104円

ラエンネックポーサイン(ブタプラセンタ サプリメント) 
         1箱   100カプセル 16,500円   
         1シート(10カプセル) 1,760円

育毛点滴  5,500円(30分)

PRP療法
1回    5ml  187,000円 (範囲の目安 おでこ生え際、頭頂部) 
    3.5ml 143,000円 (範囲の目安 頭頂部)
    1.8ml  77,000円 (範囲の目安 おでこ生え際)

女性の薄毛の半数は、FAGA(女性男性型脱毛症)ですが、他に、慢性休止期脱毛症があります。
これは年齢に関係なく、髪全体のボリューム感が減ってくるもので、頭部全体から、長い硬毛が抜けるのが特徴です。
本来10%程度であるべき休止期毛が、20%ほどに増えている状態です。
きっかけは不明なことが多く、精神的ストレス、疲労、過度のダイエット、加齢、甲状腺疾患、亜鉛欠乏、薬の副作用などが言われています。
分娩後脱毛症も慢性休止期脱毛症の1つですが、エストロゲンの急激な変動によるものなので、自然に回復します。
対策として、生活習慣をととのえること、不足している栄養素(ビタミンB群、亜鉛、鉄などのミネラル、Lシステインなどを含むアミノ酸を積極的に摂取することをおすすめします。