黒須瑞枝のブログTreasure hunt in nature
-あちらこちら宝探し-

20170829

アイダホ州 ティトンバレーでの皆既日食観測

アメリカ皆既日食観測のため、道祖神さんの9日間のツアーに参加し、26日に帰国しました。観測地はアイダホ州、ティトンバレー。宿泊するフィッシングロッジのすぐそばに川が流れ、ティトン山脈を見渡すことができる標高1800mのすがすがしい所でした。私が子どもの時イメージしていた ”楽園” に一番近い感じで、このような所で観測できたことは本当に幸運。川を背景に日食写真を撮りたいと思い、古い桟橋の上を撮影場所に選びました。

今回は4つのカメラを設置しました。日の出を見てから準備開始。

①BORG107FL+kissx6i+1.4テレコン 35ミリ換算1344㎜ ②kissx50+100-400㎜ズームレンズ(190㎜で)35ミリ換算約300㎜ ③24㎜広角+5DMarkⅡ ④全周魚眼+5DMarkⅡ

 

① コロナ  BORG107FL+kissx6i+1.4テレコン 35ミリ換算1344㎜  ISO200 1/80 SWAT300で追尾

 

②ダイヤモンドリング kissx50+100-400㎜ズームレンズ 190㎜(35ミリ換算約300㎜) 

 

③広角での連続写真 24㎜広角+5DMarkⅡ  ISO100 2.5秒 f5.6 少しトリミング

 

④魚眼での連続写真   魚眼8㎜+5DMarkⅡ ISO200 f4.0 1/4秒  

 

赤道儀設置に思いのほか時間がかかって焦りました。また皆既撮影中は私が動くと桟橋の古い木の床がきしみ、黒い太陽が写野からはみ出しかけ、調整に追われ、予想以上に時間を費やしてしまいました。そのため実際に肉眼で皆既日食を見たのは5~6秒くらいな感じです。でも鮮明に覚えています。黒い太陽の周囲は黄色く光る細いリング状に見え、濃いピンク色のネオンのような丸いつぶつぶがリングの所々に混ざり輝いていました。今まで見た皆既日食とはまた違った美しさでした。もうちょっと肉眼で見たかったという気持ちもありますが、心に響くのに時間の長さは関係ないかもしれません。

 

今回のテーマだった”プロミネンス”の撮影は、一番華やかだった第3接触前は逃してしまいましたが、赤道儀を使った超望遠撮影ができたことは、私にとって大きな壁を1つ乗り越えた感じです。

 

プロフィール

●黒須瑞枝(皮膚科医)
●出身地:北海道 
●出身校:獨協医科大学
●趣味:旅行、写真(昆虫、植物、生き物、風景、日食、月食、星空など、自然のものなら何でも)

“アイダホ州 ティトンバレーでの皆既日食観測” への6件のフィードバック

  1. ecl より:

    お帰りなさい。
    帰国後に画像をアップされるのを待っていました。
    拝見する限り、素晴らしいロケーションの下での撮影だったのですね。
    もしかして、観測地点は選び放題?
    周りに他の方が写っていないとは。
    「皆既中は一人で静かにパニックでした」の意味が良く分かりました。
    どれもこれも素晴らしい写真ですね。
    BORG107FLの画像はとても興味を持っていました。
    是非、SON様にはガボンの会を開催していただき、そこでジックリ拝見したいものです。

  2. kurosu より:

    帰りの飛行機は隣が空席だったこともあり、快適な時間を過ごして無事帰ってきました。
    今、テキサス州はハリケーンで被害が大きいとのことなので、つくづく今回の旅行も特別だったのだと感じています。私たちのツアーは12名+スタッフ2名と人数が少なく、観測地も人が多くありませんでした。観測場所はロッジ近辺どこでも自由でしたが、前々日にロケハンをして、この桟橋の上で撮影しようと決めていました。私ともう1人だけ桟橋で観測し、他の人達は多分、南北線をひいたロッジ前で観測したのだと思います。なので日食に集中して向き合う事ができ、3時間があっという間に過ぎました。写真は細かい事をいうといろいろ欠点もあり、Psで部分日食の明るさの補正等を丁寧に行いました。
    BORGの撮影は3連続で撮影できるはずのブラケットがなぜか2連続しかできなくなったり、シャッター速度が長くなった時は、太陽がレモンのような歪んだ形に写ったりといろいろありました。でも、それも面白い記念の写真になりました。是非SON様には同窓会企画していただきたいですね。(^^)

  3. SON より:

    SON です。なんという優雅なローケッションなんでしょうか! 16回目の私でもは体験したことがありません。また、写真の出来も素晴らしいですね。
    私は腕がないので、というか失敗の少ない動画で勝負です(^^; 他人と感動を繰り返し共有できるのがいいですね。ecl様 本当はご一緒するはずでしたが、楽チンなカニータに寝返りました。撮影された動画を是非見せてください。11月上旬ごろにでもガボン日食同窓会やりますか?

  4. kurosu より:

    SON様
    ありがとうございます。
    ここの観測地は、旅行会社の道祖神さんが熱意をもって探してきてくれた場所です。
    型にはまらない本当に楽しめる企画をしてくださる旅行会社であると前回のインドネシアで感じましたので、今回も申し込みました。そういう事もあって私も1年かけて真剣に観測準備をしました。
    11月にガボン日食同窓会、ちょうど良い時期ですね。実現できれば幸いです。何かお手伝いできることがあれば言って下さい。

  5. kinda より:

    kurosuさんの参加された道祖神はいつも快晴のところを見つけていますね。kurosuさんの写真は驚くほど綺麗です。とくに魚眼レンズの写真素敵です。今回も天文ガイドに載りそうですね。スピッツベルゲン島のとき道祖神のほうは快晴だったので、今回狙っていたのですが、発売時すでに満席で申し込みできませんでした。

  6. kurosu より:

    kinda様
    ありがとうございます。日食は5回目ですが、こうやって旅行で出会う人達との交流が励みになり、知識やインスピレーション、そして、何よりさらにステップアップを目指すエネルギーをいただいていることに感謝です。天文ガイドには投稿しますが、載るかどうかはわかりません。きびしい目で審査されますから・・。あのギシギシする桟橋では魚眼の連続食分撮影は難しいと思っていました。三脚も準備の時に倒してしまい脚が変形してしまいました。(持ちこたえてくれて、カメラやレンズが壊れなくてよかった・・)桟橋では靴を脱いで靴下でそろそろっと歩いて設定変更をしていました。
    道祖神さんはとても良いです。次回のチリ・アルゼンチンで是非申し込んでみてください。ややハードですが。(^^) 

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