黒須瑞枝のブログTreasure hunt in nature
-あちらこちら宝探し-

20260630

大雪山「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」に行ってきた

6月21~24日まで北海道に行きました。目的は大雪山に生息している高山チョウのウスバキチョウを撮影するためです。2年前に中国の高山で見たチョウが魅力的でしたが、写真としてはあまり上手に写すことができませんでした。そこで日本で生息していて同じ仲間であるウスバキチョウを目標にしました。
それから、大雪山は、昔アイヌの人々にカムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)と呼ばれていました。「神々の遊ぶ庭とはどんな場所なのだろう」それを自分の感覚で確かめたい気持ちもありました。

中国四川省、標高4000メートルくらいのところで見た高山チョウ。

前日は層雲峡のリゾートペンション山の上に宿泊し、22日朝に登山ガイドさんと出発。
銀泉台の赤岳登山口は標高1500メートル、コマクサ平までは片道2.5キロあります。私には本格的な登山です。

まず林を歩きました。
天気が曇りなので、一人ならこわい感じです。

どうやって登るの?どこが道?というような雪で覆われた坂。

見晴らしの良い場所になりました。紅葉の時期はここから眺める人が多いそう。

登山初心者の私は、ここですでに息が上がりました。でもちょっと休めばすぐ回復するので進みました。

雪渓です。今年は雪が多いのだそう。

時々ガスが出てきました。ガイドさんと一緒なので安心ですが、一人ならここで引き返したでしょう。
あるいは、さっきの雪の斜面で引き返したかもしれません。

雪渓は写真では緩やかにみえます。
実際このような傾斜でした。

ここではちょっとアトラクション的な感じがして、どこか楽しさを感じていました。ただ気を付けないとけっこう滑るで、必死にガイドさんの足跡に沿ってかかとのエッジで踏み込むようにして進みました。それでも5~6回、滑って転びました。

見下ろすとこんな感じでした。
雲が切れた時に、延々と続く樹海が見え、あまりにも雄大で感動しました。

雪渓までスキーやスノボを担いできて、滑るという人がいるとのことで驚きました。

雪の上にオサムシ?

第一雪渓の終わるのあたりだったか、キタキツネが現れました。

良く見かける道路を横切るキツネは、警戒心が強く、ささっと逃げていきますが、ここで出会ったキツネは透き通るような目をして、余裕のある表情でこちらをちらっとみて、ゆっくり登山道を降りていきました。ちょっと特別な感じがしました。

雪のないところはいろいろな高山植物が咲いていました。

目的地のコマクサ平に着きました。

ここまでこれたとは感激です。

このような景色です。

ハイマツが茂っていて見通しが良く庭のようです。

小さな沼がありました。

コマクサが咲いていました。この植物はウスバキチョウの幼虫の食草です。まだ少ないです。

これは蛾です。ちょっと日が差した瞬間飛び立って、とまったところを写しました。
ダイセツドクガ

毛深くてどこに目があるのかわかりませんが、この威厳のある姿が神様っぽく感じました。

エゾシマリスが現れました。ハイマツの中から出て来たり、かくれたり。

生き生きとして、かわいいです。

まるでミーアキャットのよう。

ギンザンマシコが現れました。♂

ギンザンマシコ♀

つがいのようです。

静かで何もいないように見えるのですが、いつの間にかいろいろな生き物が現れていて、楽しませてくれました。

ただ、目的のウスバキチョウは現れませんでした。
ほんのちょっと日が差した時に、蛾やアサヒヒョウモン?とおもわれる昆虫が飛び立ちましたが、曇るとまたどこかにとまって隠れてしまいました。やはり安定して晴れないと、なかなか高山でのチョウ撮影は難しいと思いました。

ちょっと雨が降ってきたので、急いで下山することに。
下山は体力的には登りよりは楽ですが、ずっと雨がやまないので、それはそれで大変でした。下山中の写真がないのは、必死で写す余裕がなかったから。登山用の衣服は着ていたので、撥水の機能がすぐれていて、機能性の高さを実感することができました。

駐車場まで無事たどり着きました。

ほっとしました。

帰り道、銀泉台の道路の途中です。東大雪の樹海がずっと先まで続いていて、すばらしい眺めでした。

初めて本格的登山をして、山酔いでちょっと気持ち悪い、体力的にはへとへと、2度は無理かも‥と直後は思いました。でも今思い出すと、樹海の眺めが素晴らしかった、雪渓を歩くのがスリルがあって楽しかった、コマクサ平は、澄んだ空気、透明度の高い景色、みずみずしい高山植物、のびやかな生き物たちが現れて、特別な庭のような感じだった、天気の変化が大きかった分、ガイドさんからいろいろ学ぶことが多かったことなど、良い思い出もたくさんあります。
またその場所に行ってみると人間は主役ではなくなり、お邪魔させてもらっているような感覚になりました。生き物たちの佇まいに触れ「神々の遊ぶ庭」という言葉の意味が心から腑に落ちました。

何より初めての本格的な登山で、歩ききることができたことは大きな自信になりました。ウスバキチョウは見られませんでしたが、今回は下見ということで、またいつか行きたいと思っています。

プロフィール

●黒須瑞枝(皮膚科医)
●出身地:北海道 
●出身校:獨協医科大学
●趣味:旅行、写真(昆虫、植物、生き物、風景、日食、月食、星空など、自然のものなら何でも)

“大雪山「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」に行ってきた” への4件のフィードバック

  1. ecl より:

    良い経験をされましたね。
    何よりも有言実行の、その行動力に感服です。
    写真を拝見する限り、軽いトレッキングとかではなく、これはもう登山そのもの。
    目的の蝶は残念でしたが、現れてくれた動物や昆虫、それに植物を楽しまれたので良かったのではないでしょうか。
    またいつか、少しだけ時期をずらして蝶探しに行かれたら良いと思います。

    • cross_963 より:

      ありがとうございます。

      お恥ずかしい話ですが、最初は一人で登ろうと思っていたんです。
      YAMAPなどでかなり予習はしていたものの、今思えば無謀でした。
      ガイドさんはお願いしていましたが、実際に同行していただくことが決まったのは現地に着いてからでした。
      今までのどの旅行よりも準備は大変でしたが、本当にいい経験ができました。

      それにしてもウスバキチョウ探しはハードルが高い(笑)

  2. 屋代 雅充 より:

    ウスバキチョウに会えなかったのは、残念でしたね。当方も期待していました。ガイドさんを頼んだのは正解ですね。この記録のおかげで登山ルートの様子がよくわかって、ありがたいです。ヒグマに出会わなくて何よりでした。当方は、四川省に行っていたのですが、こちらも悪天候続きでチョウの撮影ができたのはトータルで6時間程度。あとは雨や強風ばかりで、高山植物とパンダぐらいしか思うように撮影できるチャンスがなかったです。ただ、数か所珍しいチョウが色々いる場所を確認できたので、こちらも下見のようになりました。

    • cross_963 より:

      屋代雅充様

      コメントありがとうございます。
      ウスバキチョウのこと、期待していてくださりうれしいです。
      このような結果でしたが、行ってみて現地の状況が良くわかり、それも大きな収穫でした。
      次にチャレンジするとしたら、6月20日から1週間くらいの間で、絶対的に晴れていて、あまり風のない日を選んで登ることがポイントかなと感じました。
      問題のヒグマですが、今のところこのルートでの目撃情報はありませんが、大雪山のあちこちで出ていますよね。
      人間の話し声がいちばんクマよけになるようなので、単独登山でないほうが良いのかもしれません。

      中国は今回は天気が悪かったのですね。いつか講演会後の食事会の時にでも、また旅行の様子をぜひ聞かせてください。

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